1.日本の百貨店の課題 1-1. 通信販売(ECサイト)の売上高が小売業を上回る 2019年度、小売業の売上は11兆8670億円で、2018年の通信販売(いわゆるECサイト)の売上は8兆1800億円である。現在、具体的な数値はまだ出ていない状態であるが、新型コロナウイルスの影響により既に通信販売の売上が小売業の売上を上回ると推測する。 1-2. 中間層の没落 米国は、所得不均衡が深刻化し、中間層の取り分が減り、中間層を主要顧客とする伝統的な流通が打撃を受けている。 ピュー·リサーチ·センターは1970年以降、米国の中間層所得が占める割合は62%から40%近くまで落ちたと推定している。デロイトの報告書によると、高所得層と低所得層を対象にした流通は売上増加した反面、中産層を狙った流通はほとんど成長していない。今年4月、経済開発協力機構(OECD)が発表した報告書を見ると、加盟国全体の中間層..